広報にじ51号電子ブック
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「こんにちは~」ガラガラと戸を開けると,テーブルの上に布を広げてパッチワークを作成される藤井さんの姿が。部屋には壁一面にパッチワーク作品の数々が,ずらりと飾られています。ここは,神石地区福永にある“ルシエールふじい”という教室。オーナーの藤ふじ井い年とし江えさんは,平成3年に退職されてからパッチワークを始められ,家を増築してパッチワーク教室を開かれました。広島へ2年間通って講師の資格を取られ,これまで三次市甲奴町で7年間,三和地区小畠で6年ほど,さらに神石地区の子ども手芸教室で20年近く教えられ,様々な人たちに手芸の楽しさを伝えてこられました。“ルシエールふじい”には,地域のパッチワーク仲間が集まります。みなさん普段は,自宅でコツコツと作成され,ときどきここへ来て「どうじゃろうかなぁ~」と話し合われます。ちなみに,この“ルシエール”とはフランス語で,ルは『広い・広大な』,シエールは『空』という意味。フランス語のやわらかな響きが気に入ってつけられたそうです。キルトの布は3枚からなります。その布をずれないように糸で“しつけ”(固定)をし,“まち針”で均等に固定してから縫っていきます。「まち針としつけがとても大切」と藤井さんが言われるように,パッチワークには縫い始める前からたくさんの作業があり,その丁寧さが作品の完成度につながります。そして驚くことに,すべての作業はミシンなどは一切使わず,手作業とのこと。それでも「縫ってて色合いとか,納得いかんかったら,全部やりなおしたりするんよ」と。さらに縫い方にもこだわりがあるそうで,「布の膨らみ・起伏を出すために,しっかりと針をおろして縫うんよ。1針1針が勝負なんよ。」と,職人の顔になります。パッチワークの魅力について聞いてみました。「雑誌や展示会でいろんな作品を見て“今度はあれを作ってみようかな”って考えるのが楽しいんよ。色が決まったら,こんどは必死で縫って。やっぱり完成したときがね,達成感があるんよ。自分が作ったのを壁に掛けてね,ゆっくり眺めたりして。」細かい地道な作業。大きな作品になると完成まで1年以上かかることも。それだけに出来上がった時の喜びもひとしおだそう。さらに藤井さんは地域でも,老人クラブやサロンに積極的に参加され,サロンでは世話人として活動されています。この4月のサロンはお花見会をされたそうで,「今まで参加されなかった人も,初めて参加してくださったんよ。」と,嬉しそうに話されていました。手芸で,老人クラブで,サロンでと,いろんな場で※パッチワーク…様々な色や柄の小布を縫い合わせて作る手芸。1針1針丁寧に。たくさんの人との輪を広げ,交流を深められている藤井さんです。―神石高原町内で活動されている団体,個人をご紹介します―神石高原輝キラっッ人とさんルシエールふじい にて10広報にじ No.51
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